東池袋自動車暴走死傷事故の第八回公判

東池袋自動車暴走死傷事故の第八回公判

去る6月21日に、東池袋自動車暴走死傷事故の第八回公判が行われました。
なんとも後味の悪い裁判だった模様です。

まずは、松永氏のブログ記事をご覧くださいませ。

ブログ記事にも記載はありますが、今回の裁判での被告人質問のpdfフィアルを以下にリンクいたします。

松永氏が飯塚幸三に質問を投げかけています。

客観的に見ていますと、する意味のある質問と、する意味のない質問が混同している感じがします。
そして、飯塚幸三の返事も、的を得た回答とそうでない回答があります。

”命と向き合う”という言葉は、相手に逃げ道しか作らない文句になるので、なるだけ使わない方がよかったのかなぁという気がしました。
それよりも、事実確認だけを淡々とした方が、後々、証言になるような気がするんですね。

それよりも、こんな状況にありながら、何も罪に問われることもなく、身柄を拘束されるわけでもない飯塚幸三に対する対処が間違えてると思うんですよね。
全く反省してないし、極刑でいいと思えるような受け答えしかしてないと思えます。
反省とか、悔い改めるとか、そういうところからは程遠いところにいる人を何故助ける必要があるのでしょうか。

そして、ついにトヨタ社が、車の異常について、完全に異常はなかったと声明を出しました。
そらそうですよね。
ボケた老人が正しくて、トヨタのシステムが正しくない・・・なんてことがあるわけがありません。

それでもなお、自分の無罪を主張することのどこに正義があるというのでしょうか。

ほんとに分からないです・・・。

人を二人も轢き殺しておいて、逮捕もされず、身柄を高速されるというわけでもなく、ただただ、裁判に出て、のらりくらり質問に答えてるだけで・・・という絶対にあってはならないことをしてるということが、どういうことか分からないのでしょうか?
裁判官も警察も、何を考えてるのでしょうか?
ほんとにクズな公務員だなぁという感じですね。

印象に残ったQ&A

<松永>

Q17 : あなたが記憶違いということで考え直した4つの点、それ自体もドラレコの映像と違っていませんでしたか?
A : 私の表現が正しくなかったかもしれませんが、大筋は違ってないと思う。

Q28 : 警察の車両の機能検査では、「どこにも不具合は見つからなかった」ということは知っていますね。
A : そのような報告が出て、証言者が説明されたことは覚えています。

Q29 : 今回の事故は、電子制御によるアクセル系統、電子制御によるブレーキ系統のすべてが同時に壊れたから発生した、という主張と理解していいですか?
A : 電子制御は時々不具合が起こることがあって、それで私どももよく経験することですが、電源を一度切って再起動すると、何事もなかったかのようにもとに戻って正常な機能を果たすことはありますので、そのような事例ではないかと思っております。

Q32 : 警察の集めた証拠、それに基づく専門家の分析、目撃者や専門家の証言は、いずれも間違いだという認識でしょうか?
A : 全部が間違いとは思っていませんが、必ずしも正確ではなかったのではないかと思ってます。

Q33 : 仮に電子制御によるアクセル系統と電子制御によるブレーキ系統が壊れていたとしても、あなたはブレーキペダルを踏みこんでいたそうですから、少なくとも物理的な油圧系統による制動力は作用するのではないですか?
A : そう思って踏んでおりましたけれども減速しなかったのです。

Q37 : あなたは無罪を主張されていますね。
A : 心苦しいとは思っていますが、私の記憶では踏み間違えはしていませんので、私の過失はないと考えています。

Q38 : 本心では自分の主張に無理があるとは思ってませんか?
A : 冒頭にも申しましたけど、暴走状態になった車を止められなかったことは悔やんでいます。

Q39 : 公判が進んで様々な証言を聞いたり、検察官から被告人質問をされたりしても、その気持ちは全く揺るがないのですか?
A : はい。同じ思いでおります。

Q45 : あなたは、「暴走する車を制御できなかったことは悔やんでいる」という趣旨のことをおっしゃってますね?責任を感じているということですか?
A : 責任というのは非常にあいまいだと思いますが、悔やんでいるというのは、例えば車で当日でなければ事故が起こらなかったという意味でも悔やんでいる。

Q96 : 私たち遺族があなたに対して強い怒りを感じていることは伝わっていますか?
A : はい。松永さんのブログも最近の新聞記事も読んでフォローしておりますので、十分理解しているつもりです。

Q97 : あなたが故意に事故を起こしたのではないことは理解しています。それでもあなたに怒りを感じ、許せないでいる理由は何だと思いますか?
A : 被害者の方が加害者を許さないのは、理由はどうあろうとも亡くなられた事実は変えられないので。致し方ないことだと思っております。

Q98 : あなたの無罪主張が、私たち遺族や怪我をされた多くの方にどういう影響を与えるか考えたことがありますか。
A : はい。それはあります。

Q99 : 具体的にどう考えたのですか?
A : 心苦しいと申し上げました。

Q105 : 私達や二人の命に向き合っていないと言われても仕方ないと思いませんか?
A : 向き合っていないと意味がどういう意味か分かりませんが、私としては心を痛め、重く受け止めているつもりです。

<上原さん>

Q : 私は真菜の父の上原よしのりと申します。今、質問されて答えていましたが、あなたは人間の心を持っていないのかな、と。車のせいではなくて自分の過ちも認められない人なのだと悲しみと怒りを覚えています。あなたは私からするととても立派な人。とても立派な仕事をされて立派に生きてこられたと思います。そんな立派な方が自分の過ちを認められない、人の苦しみも分からない、そういう人間なんだと思っていましたが、今日、とても悲しいです。私はこういう質問はしたくなかった。真菜と莉子が車に乗っていて、車に乗っていて殺してしまった。すみませんでした。私が全て悪かったです。そう誤ってくれれば。私たちの苦しみ悲しみはもう少しよかったかもしれない。真菜と莉子の事故から何年?
A : 2年です。

Q : その2年間、どう生活し、生きてこられましたか?
A : 私は事故の年の暮れくらいから非常にふらつきが大きくなり、病院を変えました。先生が転勤になったこともあるが。板橋の⻑寿センターというところにかかったところ、大脳皮質変性症という難病と分かった。それは去年の秋です。薬が効かないのでリハビリしか。運動してなんとか脳の活性化を図るというか、運動機能を低下させないようにということで、毎日宿題があって、それをやっております。なかなか辛い毎日でありました。それから、まなさんとりこさんの月命日には必ずお線香を上げさせていただいていました。無罪を主張するということは心苦しいと申しました。決してご遺族の悲しみや苦しみを理解していないわけではございませんので、本当にそうだろうなと思っております。

Q : あなたは今でも真菜と莉子を轢いて、反省をしない、悪いと思っていないのですね?
A : 前にも申しましたが、お二人が亡くなったということについては本当に悔やんでおります。車で出なければ事故は起こらず、二人の命がそのまま大丈夫だったワケですから。その点は本当に申し訳ない。

<お怪我をされたNさんの代理人B>

Q : あなたの主張を端的に言うと、プリウスと突然暴走してブレーキ踏んでも減速しないで起きた。
A : はい。

Q : あなたの主張を前提とすると、この事故は誰の責任で起きたと?
A : 分かりません。責任という言葉は、色々な意味があると思います。

締め

毎回の裁判、遺族側は、ただただ、客観的に見て分かる事実を認めてもらいたいだけだと思います。
この質問とその回答を見る限り、飯塚幸三が反省したり、事実を受け止めて考えてるとは、到底思えません。

重大なことが起こした張本人が、このような感じで他人事で自分の日を認めないとなると、とてつもなく憎くなってくるような、そんな気がします。

判決を下す人や、裁判内容を精査する人たちは、このことを十分に考えて判決を出していただきたく思います。

これらの裁判の内容は、見るたびに、嫌な思いをするだけです。
それらを十二分に考慮していただきたく思う今日この頃です。